痔は直立歩行を始めた人類の宿命ともいえる病気です。症状が出ないものまで含めると、成人の半数以上にみられると言われています。決して珍しい病気ではなく、放っておくと重症化することもありますので、痔の症状が出た場合はひとりで悩まずに病院を受診することをおすすめします。
当院では患者さまのプライバシーに配慮し、診察時の恥ずかしさを軽減できるよう努めております。
痔は次の3つにおおきく分けられます。
一番多いタイプで、直腸肛門部の血行が悪くなりうっ血して腫れるものです。
直腸内に出来るものを内痔核、肛門部の皮下に出来るものを外痔核と呼びます。
内痔核は痛みがありませんが、排便時に出血したりとびだしたりします。
外痔核は知覚神経のある部分に出来るため腫れとともにはげしく痛みます。
硬い便の刺激などにより、肛門上皮に傷がついた状態です。出血、痛みをともないます。
慢性化すると潰瘍になったり、炎症で肛門が狭くなったりすることもあります。
直腸と肛門の境界部粘膜の小さなくぼみから大腸菌などが入り込み、直腸と肛門の周囲にうみがたまった状態を肛門周囲膿瘍と言います。
うみが皮膚に破れると直腸と皮膚がつながったトンネルができます。
これを痔瘻と言います。うみで下着が汚れたり、肛門周囲の痛みが出たりします。
脱出を伴う内痔核に対して2004年から保険適応となった治療法で、内痔核の硬化療法です。
切らずに注射だけで、日帰りで出来るものです。硫酸アルミニウムカリウム水和物・タンニン酸の配合剤(ALTA、商品名ジオン)を痔核に注射すると痔に流れ込む血液の量が減り、痔が固まって小さくなっていきます。
手術治療(結紮切除)に比べ体への負担が少なく、治療効果はそれに匹敵します。
ジオンの注射は時に合併症や副作用を起こすことがあるため、四段階注射法と呼ばれる専門手技の講習、習得を必要とします。
院長は2009年に講習を修了し、勤務医時代も含め多数の経験を持っております。いぼ痔でお悩みの方はお気軽にご相談ください。
ひとつの痔核に対して4か所 |
ジオン注射療法をご希望の方には、安全に行うために術前検査(血液検査など)をしていただいております。痔と思い込んでいたら違う大腸の病気が隠れていたりすることもあるため、最近(おおむね1年以内に)大腸検査を受けていない方には術前に大腸のスクリーニング検査を行っています。
ジオン注射療法自体は10~20分ほどで済んでしまいますが、術後出血などの観察のため1時間ほど安静にしていただき、合併症のないことを確認してから帰宅していただいております。平日の午後(15:30~、木曜日を除く)に予約で治療を行っています。
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内痔核治療法研究会 |