花粉症は季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれ、患者さんは年々増加しており日本人の3~4人に1人とも言われています。スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となってくしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどのアレルギー症状を起こす病気です。
ハウスダスト、ダニ、ペットの毛などが原因となるものは1年中症状が見られるため通年性アレルギー性鼻炎と呼ばれます。合併症として喘息やアトピー性皮膚炎が起こることもあります。
アレルギーを引き起こす主な花粉の飛散時期は下のカレンダーの通りです。なお、こちらは東海地方を基準としたものです。
毎年症状に悩まされている方は花粉の飛び始める前に受診をおすすめします。はやめにお薬を始めれば、症状を軽く抑えることも可能です。花粉の飛散時期にはマスク、ゴーグル、うがい、洗顔(目や鼻の中も)などご自身でできる対策も大切です。
問診で症状の出た時期、経過などをお聞きします。アレルギーの有無、原因となる物質を調べるために血液検査を行うことがあります。診断結果を総合し治療計画を立てていきます。
初期療法
花粉症は症状が悪化すると薬が効きづらくなります。しかし、軽いうちに薬を使い始めると症状をコントロールしやすく、そのシーズンの症状を軽くすることができます。通常花粉の飛び始める1~2週間前から内服を始めます。
導入療法
症状が強くなってしまってから治療を開始する方の場合、ステロイドなど強めのお薬を一時的に使用し早く症状がコントロールできるようにします。
維持療法
初期療法や導入療法で抑えられた症状を保つための治療です。抗アレルギー薬、点鼻薬などを原因となる花粉の飛散がなくなるまで継続することをおすすめします。
アレルゲン免疫療法は減感作療法とも呼ばれ、花粉症の原因となっている抗原を少量ずつ体内に吸収させることで抗原に対する反応を弱めていく方法です。治療期間は推奨3年以上と長く、アナフィラキシー反応などの重篤な副作用がまれにみられますが、アレルギーを根治させる可能性のある唯一の治療法です。
投与方法は皮下への注射と舌下投与があります。当院では、スギ花粉、ダニに対して舌下投与によるアレルゲン免疫療法を実施しています。
※舌下免疫療法の初回は副作用の確認のため、院内で投与を行い経過観察をします。これからこの治療を始めようとお考えの方はお時間に余裕をもってお越しいただき、診療終了時間の1時間前までにご来院いただきますようお願いいたします。
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